高校英語


大学受験の高校英語に関する考え方、勉強の取り組み方をまとめてみました。



■はじめに

英語を得意にするには、英単語力がとても重要です。数多くの英単語を覚えていなければ、知らない単語を類推する

能力にいくら長けていたとしても、英文を読みこなすことは出来ませんし、書くことも難しいです。従いまして、

先ずはターゲット1900や速読英単語等の単語帳を使って英単語を大量に暗記します。次に、英文法に関してですが、

確かに大学受験で英文法の出題は減少傾向にあります。しかしながら、最低限の英文法を知らなければ英文を読むこと

も聞きとることもできません。従いまして、標準レベルの英文法は徹底的にマスターする必要があります。

単語、英文法が固まったら、いよいよ長文読解、自由英作文です。長文は、質と量を追い求めねばなりません。

理解できない文章は丁寧にSVOC、使われている英文法を明確にし、その文の意味する本質を捉えようという訓練が

必要です。








■英単語について

「英単語の暗記は英単語帳を使わず、長文から抜き出して暗記すべき。よって、速読英単語必修編の約70の

文章を100回音読を推奨」と去年までは書いていました。実際、塾生にもそのような指導をしていました。

しかしながら、今はやり方を変えて、単語帳を2冊完璧に近い形で暗記するようアドバイスしています。

理由は、3つあります。

@長文から拾ってくるやり方だと、例えばターゲット1900の後半は殆ど知らない単語ばかりになります。

かなりの量の長文を読み込まないと、それらの単語に出会うのはほぼ不可能です。これでは難関大学の英語に

立ち向かうのは厳しいです。


A英単語を見て瞬時に意味を把握する方法は、やはり英単語帳を使った方が便利です。

B長文を100回音読する時間は取れないです。私文狙いで、英語に大量の時間を割けるのであれば話は別ですが、

100回音読の時間を捻出するのは至難の業だと思います。

よって、現在は単語帳を使っていますが、それでも使いにくいので厳密には単語帳に載っている単語をすべて

エクセルに落とし込み、和訳を生成AIを使ってより頻度の高い意味を2つ以下、より自然な日本語に変換して

プリントアウトして使っています。


また、これも大切なことなのですが、英単語を見てすぐ日本語に変換できるようにするだけでなく、すぐイメージ

できるようにトレーニングした方がよいと思います。例えば、famine飢饉などは、実際に江戸時代に飢饉が

起きて翌年一揆が起きているようなことを想像します。言葉とイメージの両方からinputした方が記憶に

残りやすいのは言うまでもありません。





■長文(英文解釈)について

英文を読むのに慣れていない人は、必ずSVOC、修飾語を明確にして文の意味を理解するようにした方が

いいと思います。英語が不得意な生徒の多くは、SVOCは殆ど意識せず、たんに英単語を日本語に変換して

それを勝手につなぎ合わせて意味を理解しようとしています。これでは内容が容易な文なら構いませんが、

国公立大学、中堅私大以上の入試問題にはほぼ歯が立たないです。

慣れてくると自然とSVOCが理解できるようになるので、それまでは単語に下線を引いて、ここはS、ここはV、

この部分は目的語の固まりなど一つ一つ丁寧にやるのをお勧めします。

SVOC以外に、個人的に注意すべき点を次の通りです。

-itやthey,them等の代名詞は必ず具体的に何を指しているのか明らかにしながら文を読む。
(itは形式主語や形式目的語もあり得る)

-thatは1)that節、2)関係代名詞、3)強調構文、4)あれは、あの
に分かれているので、どれに該当するか見抜く必要がある。

-倒置や省略が入ってくると、SVOCが見えなくなるときもあるので、そこは見抜く必要がある。





それと共通テストレベルの長文は、とにかく速く読む。スピード感を持って読んでいくことがとても重要です。


その為には、長文は絶対に前から後の順番で捉えることが大事です。


例えばI have my uncle who lives in Tokyo.は「私には東京に住んでいるおじがいる」のように


後ろから前に遡って和訳しますが、読解している最中は「私にはいるおじさんが。そのおじさんは住んでいる


東京に」のように前から後の順番で意味を捉えることです。しかもそれを日本語に変換せず、英語のまま理解する。


これでいかないと、戻り読みをしている間は絶対にスピード感は出ないと思います。






■大学入試の自由英作文

易しいようで意外と難しいのが自由英作文です。重要ポイントを箇条書きにしてみます。

●独創的なことを書いて、満点狙いに行こうとしない。

●内容は平凡でも論理的に矛盾が生じないもの、意味不明の文章でなければOK。

●英文法、英単語、英熟語、慣用句は使い方を100%知っているものしか使ってはいけない。


●一般的には起承転結でまとめた方が良い。

@命題に対しての賛成か反対かを述べる。

Aその理由や根拠を2つか3つ述べる。

B自説への反論を述べる。

C更に再反論を述べて、最後の結論を述べる。




■時事問題、社会問題を掘り下げて自分なりに考えてみること

どれだけ英単語、英熟語、英文法を知っていたとしても、様々な時事問題、社会問題に対して自分なりの見識を

持ち合わせていなければ、おそらく難易度の高い長文、自由英作文には手も足も出ないでしょう。

経済、先端技術、AI、情報化社会、起業、政治、医療、社会保険、貧困、教育、宇宙、生物、

自然現象、言語学...etc 

大学入試では様々なジャンルのテーマが取り扱われています。

もし経済に疎い人が、マーケット、流通、為替、グローバル、株等の基本知識を持ち合わせていない、

深く掘り下げて考えてみたこともないのであれば、入試本番で経済をテーマとする問題が出題されたとき、

苦戦することは必至です。ぜひ電車の中での空き時間等で結構ですから、一つ自分でテーマを見つけて、

自分なりに深く追求し、考えを整理してみては如何でしょうか。





■最後に


難関大学に合格したい人は必ず高2の3月までに英語を完成させてください。つまり、高2の3月の時点で

志望大学の2次試験の正答率が7割超えるレベルまで持ってくる必要があります。それが無理でしたら

単語と英文法だけはほぼ完成させていてください。

英語は他の科目と違って、結果が出るまで恐ろしく時間が掛かる科目です。やってもやっても結果が

出にくい科目No1だと思います。本当、忍耐力が要求されます。

やはり高1の4月からのコツコツやってきた人が強いです。